業務自動化とは?種類・適用業務・メリットデメリットまで
執筆者:SHIMA
公開日:2020/05/31
最終編集日:2020/06/03
近年、世界は自動化の時代に突入しています。
データ入力や経理業務など、従来手動で行われていた業務が次々と自動化され、人の手から切り離されています。
あなたの身の回りにも、実は自動化できる業務があるのではないでしょうか。
この記事では、業務の自動化に興味がある方に向けて、業務を自動化する代表的な手段をいくつか紹介すると共に、実際に自動化を導入するメリットやデメリットを紹介します。
業務自動化とは
高齢化社会の到来による人材不足や、不景気の波によるコスト削減、従来の働き方に縛られない働き方改革が叫ばれる中で、日々の業務をいかに効率化し、少ない人数で業務を回す方法を模索する企業が多くなってきました。
そういった潮流の中で注目を集めているのが「業務自動化」です。
自動化を取り入れることで、繰り返しを伴う煩雑な業務を人の手から切り離し、業務効率を最大化すると共に、人的コストを削減することができます。
工場のロボットをイメージして頂けるとわかりやすいかと思います。
ロボットは24時間稼働し続け、同じ業務を繰り返します。
あのロボットこそ、繰り返しの多い煩雑な業務を人間の手から切り離し、自動化を実現した結果だといえましょう。
近年、様々なツールやプログラムの開発により、ロボットによる自動化をデスク業務にも適用することができるようになりました。
自動化すべき業務
では、一体どのいった業務に対して自動化を適用すべきなのでしょうか。
自動化すべき業務としてまず挙げられるのがデータ入力です。
日毎の売り上げデータをまとめたり、グラフを作成したり、請求書を作成したり、といった業務や経理業務がこれにあたります。
次に、一定の法則が決まっている業務が挙げられます。
例えば、自社の口コミをWeb上から収集したり、競合の売り上げを収集したり、といった業務がこれにあたります。
こうした業務は抜け漏れやミスが起こりやすいだけでなく、疲れや眠気いった2次的要因を受けやすい業務でもあります。
ロボットは一定の法則性が決まっている業務への順応性が高く、一回業務をインプットしてしまえば、ミス無く同じ業務を繰り返すことができます。
また、同じ業務内容を繰り返している時に起こりがちなモチベーションの低下などによって、生産性が低下することもありません。
自動化の種類
次に、どのような種類の自動化があるのか紹介します。
マクロ
最もよく知られているのがExcelのマクロです。
マクロとは作業手順を記憶させて繰り返すことができるExcelの機能で、グラフの作成、数値の自動入力、シートの自動作成などを行うことができます。
ただし、Excelという限定的な範囲内でしか業務を自動化することができないだけではなく、パソコンの電源を入れていないと稼働させることができません。
プログラミングを伴う自動化
次に、プログラミングを用いた自動化を紹介します。
プログラミングによる自動化はマクロと違い、広範囲の業務に対応することが可能ですが、稼働させるためにプログラミングに一定詳しい人が必要で、作成のために人的リソースがかかるのがデメリットです。
Pythonによる自動化
Pythonは自動化領域において最も使われることの多いプログラミング言語です。
「ライブラリ」と呼ばれるあらかじめ用意されたデータ群を用いることで、簡単に自動化を実装することができます。
「ライブラリ」の種類は多種多様で、ブラウザ上でカーソルを自動操作することでWeb上のデータを自動でダウンロードする、といった事や、Webページを隈なく歩き回り(クロール)、特定のワードが含まれる文章を収集する(スクレイピング)といった事を可能にするものも用意されています。
GoogleAppsScriptによる自動化
GoogleAppsScriptは比較的新しいプログラミング言語で、スプレッドシートやGmailといったGoogleの製品を使った業務を自動化することができます。
下記にGoogleAppsScriptを用いた自動化の一例を記載しました。
・毎朝朝9時になったらスプレッドシートに前日の売り上げデータを書き込む
・Gmail宛に届いたメールから数字を抜き出し、スプレッドシートに書き込む
・チャットツールに前日の売り上げデータを通知する
RPA
RPAも近年注目されている自動化技術の1つです。
プログラミングが必要なく、決まったテンプレートやフォーマットに沿って操作していくだけで扱うことができるため、ITに詳しくない人でも扱うことができます。
導入コストが高いのがデメリットです。
自動化によるメリット・デメリット
業務自動化におけるメリットデメリットをそれぞれ紹介します。
メリット
人的ミスの削減
数値入力やデータ収集を人の手で行うとどうしても抜け漏れやミスが起きてしまいますが、ロボットは決められたルールに基づいて業務を行うためミスを起こしません。
人的コストの削減
ロボットは24時間稼働させられるため、事務業務による残業を削減できます。
また、特定の業務をすべてロボットに任せてしまうことで、引継ぎや教育にかかる人的コストを削減させることができます。
生産性向上
コアな業務以外をすべてロボットに任せてしまうことで、売り上げに近いよりコアな業務に集中できます。
デメリット
業務のブラックボックス化
業務のブラックボックス化は、特にプログラミングを用いた自動化に起こりがちです。
プログラミングの作成者・専任者が異動したり辞めてしまった際に、他にわかる人がいなくなってしまい、そこの部分の部分が滞ってしまうといった事態が発生する危険性があります。
仕様変更などによる誤作動のリスク
ロボットは与えられた業務を休むことなく遂行することができますが、裏を返せば特定の部分で仕様変更などがあった際に気づかずにそのまま動作し続けてしまうリスクがあります。
例)スプレッドシートの使用変更があり、収集し続けていたデータを知らず知らずのうちに上書きしてしまっていた。
事務や庶務などからの反発の声
今まで人間が手作業で行っていた事務や経理業務などをすべてロボットに移行してしまうと、思わぬ反発の声があがることがあります。
きちんと話し合いを行ったうえで、ロボットの業務はロボットの業務、人の業務は人の業務といった棲み分けが必要です。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
業務をロボットによって自動化するメリットをお分かりいただけたでしょうか。
現在人の手で行っている業務を自動化することで、業務効率の向上や経費の削減など自社にとって多大な影響をもたららします。
一方で、自動化に頼りすぎると本来業務に必要とされているコミュニケーションやクリエイティビティといった要素が欠けてしまう危険性もはらんでいます。
人の業務は人の業務、ロボットの業務はロボットの業務という棲み分けをきちんと行い、要所要所で自動化の導入を行いましょう。