NPO法人がチラシを作る際のポイントとは?
執筆者:SHIMA
公開日:2023/07/26
最終編集日:2023/07/26
はじめに
チラシ作成は、NPO法人が自らの活動やイベントを広く知ってもらうために、非常に重要な手段です。効果的なチラシは、読者に対して魅力的で興味を引き、メッセージを伝える力を持っています。しかし、ただ情報を詰め込んだだけのチラシではなく、読者へのアプローチを考慮することが成功の鍵となります。
この記事では、NPO法人がチラシを作成するにあたってのポイントを順を追って解説します。
チラシを作る目的を明確にする
チラシを作成する目的を明確にすることは、効果的なコミュニケーションと読者の理解を促進する上で非常に重要です。
まず、NPO法人がチラシを作成する目的を具体的かつ明確に定める必要があります。例えば、以下のような目的を考えることができます。
イベント告知:NPO法人が主催するイベントや活動の詳細を広く知らせるためのチラシ。
支援・寄付募集:活動資金の募集や支援者・寄付者を募るためのチラシ。
活動紹介:NPO法人の活動内容や取り組みを理解してもらうためのチラシ。
ボランティア募集:ボランティア参加者を募るためのチラシ。
目的を明確にすることで、コンテンツやデザインを適切に選定し、読者の興味を引くことができます。また、目的を明確にすることで、チラシの効果測定がしやすくなります。読者がチラシの目的を理解し、望む行動を起こしやすくなるような工夫をすることが大切です。
目的に合わせて内容を決める
チラシの目的に応じて、適切なコンテンツを選定することは、読者との良好なコミュニケーションを築くために不可欠です。
まず、具体的な目的に基づいて、何を伝えるか、どのような情報を盛り込むかを考えます。以下は目的に合わせた内容決定の一般的なアプローチです。
イベント告知の場合
・イベントの日時、場所、テーマなどの基本情報
・ゲストスピーカーや出演者の紹介
・イベントの内容やプログラムの詳細
・参加方法や申し込み手続き
支援・寄付募集の場合
・NPO法人の活動内容や目標
・寄付の使途や効果を具体的に示す事例
・寄付方法や支援の連絡先
・資金使途の透明性を示す情報
活動紹介の場合
・NPO法人のミッションやビジョン
・主な活動内容や過去の実績
・ボランティア参加の呼びかけ
・連絡先やウェブサイトへの誘導
ボランティア募集の場合
・ボランティアの活動内容や募集条件
・活動の意義や影響を示す事例
・応募方法や面接予定日などの詳細
・ボランティア参加者に対する感謝の表明
目的に合わせて適切な情報を選択し、読者が求める内容を提供することで、より効果的なチラシが制作できるでしょう。読者にとって有益な情報を提供することが、NPO法人の活動への理解や支援を促進するポイントです。
サイズやレイアウトを決める
チラシのサイズやレイアウトの選定は、情報のわかりやすさや視覚的な魅力を高めるために非常に重要です。読者にとって見やすく興味を引くデザインを作成するために、以下のポイントを考慮します。
サイズの選定
チラシの目的や内容に合わせて適切なサイズを選びます。一般的なサイズにはA4、A5、B5などがありますが、A4は情報を多く掲載できる反面、A5やB5は持ち運びがしやすく、手渡ししやすいという利点があります。目的と配布方法に応じて最適なサイズを選びましょう。
レイアウトの構成
チラシのレイアウトは読者が情報をスムーズに理解できるように工夫します。情報を整理し、視覚的に分かりやすくするために、適切な余白や見出し、箇条書き、写真やイラストの配置を考慮します。
カラースキーム
チラシのデザインに使用するカラースキームは、NPO法人のブランドイメージや伝えたいメッセージに合ったものを選びます。明るく鮮やかな色は目を引きますが、目的や活動内容によっては落ち着いた色合いが適している場合もあります。
フォントの選定
フォントは読みやすさとデザインの視覚的な統一性を考慮して選びます。見出しと本文で異なるフォントを使い分けることで、情報の階層性を明確にします。
写真やイラストの選択
チラシに視覚的な要素を取り入れることで、興味を引きやすくなります。目的や内容に合った魅力的な写真やイラストを使用し、文字情報だけでは伝えきれないメッセージを補完します。
サイズやレイアウトはチラシの印象を大きく左右する要素ですので、NPO法人のイメージやメッセージを適切に表現するデザインを心掛けることが重要です。デザインには目的を明確にし、読者に対して効果的なアプローチを取り入れるようにしましょう。
決定した情報を元に作成をする
自前で作成する
チラシを自前で作成する方法は、NPO法人が内部で制作する場合の一般的な手法です。以下は、自前でチラシを作成する際のメリット・デメリット、および費用に関する考察です。
メリット
コントロールが可能: 自前で作成することで、制作の進捗やデザインの方向性を自由にコントロールできます。特定のイメージやブランディングを重視する場合に有益です。
柔軟性がある: 細かい修正や変更を自由に行えるため、タイムリーな情報の更新や修正が容易です。イベントの詳細変更やスケジュールの追加などに対応しやすいです。
低コスト: デザイナーへの外部依頼が不要なため、コストを抑えることができます。特に頻繁にチラシを制作する場合は経済的です。
デメリット
デザインの知識が必要: プロのデザイナーでない場合、デザインに関する知識が限られている可能性があります。読みやすさや視覚的な魅力に欠ける可能性があります。
時間と労力が必要: 制作には時間と労力がかかるため、他の業務との兼ね合いを考慮する必要があります。専門家の手を借りる場合に比べると制作期間が長引く可能性があります。
費用
自前でのチラシ制作にかかる費用は、主に以下のような要素によって異なります。
デザインソフトウェアの有無: プロのデザインソフトウェアを使用する場合、ライセンス費用がかかることがあります。
素材の調達: イラストや写真の使用には、素材の購入費用がかかる場合があります。
印刷費用: 自前で制作したチラシを印刷するためのコストも考慮する必要があります。
自前でチラシを作成する場合は、デザインの基本知識を学ぶか、デザインソフトウェアを使いこなす必要があります。また、デザインに自信がない場合は、他のスタッフやボランティアの協力を得るか、外部のデザイナーに相談することも検討する価値があります。
外注する
外部にチラシ制作を委託する方法は、プロのデザイナーや制作会社に依頼することを指します。以下は、外注制作のメリット・デメリット、および費用に関する考察です。
メリット
プロフェッショナルな品質: デザインやコンテンツに専門知識を持つプロに依頼できるため、高品質かつ魅力的なチラシを期待できます。
デザインの幅が広い: デザイン会社やフリーランスデザイナーは、様々なスタイルやテイストに対応できます。NPO法人のブランディングに合わせたデザインを提供してくれるでしょう。
効率的な制作: デザイナーが専門知識を持っているため、スピーディかつ効率的な制作が期待できます。自社で作成するよりも時間を節約できます。
デメリット
コストが高い: プロのデザイナーに依頼するため、制作費用がかかることがあります。予算に応じたデザイン会社を選定することが重要です。
相性やコミュニケーションの課題: デザイナーとの相性やコミュニケーションの問題が発生する可能性があります。イメージと異なるデザインを提案される場合もあるため、要件を明確に伝えることが重要です。
費用
外注制作の費用は、以下のような要素によって異なります。
デザイナーの経験とスキル: デザイナーの経験とスキルによって制作費用が変動します。経験豊富なデザイナーや人気のあるデザイナーは高額になることがあります。
デザインの複雑さ: チラシのデザインが複雑で要件が多い場合、制作にかかる時間と労力が増えるため費用が上がる可能性があります。
制作規模と数量: チラシの制作規模や印刷部数によっても費用が変動します。大量のチラシを作成する場合は、割引料金が適用されることもあります。
外注制作を検討する際には、デザイナーのポートフォリオや評判を確認し、NPO法人の予算と要件に合ったデザイナーを選定することが重要です。プロの手による高品質なチラシは、NPO法人のイメージ向上と広報活動に大きく寄与します。
作成したチラシをどこに配布・告知するべきか
作成したチラシを効果的に配布・告知することで、多くの人々に情報を届け、NPO法人の活動への関心を高めることができます。以下は、チラシの配布・告知先の一般的なアプローチです。
イベント会場や集客スポット
NPO法人が主催するイベント会場や、ターゲット層が集まるコミュニティセンターや図書館などの場所にチラシを設置します。
集客が多いイベントやフェア、展示会などでもチラシを配布することで、多くの人々にアクセスできます。
地域コミュニティ
NPO法人が活動している地域のコミュニティセンターや公民館、商店街などにチラシを設置します。
チラシの配布を地域のボランティアや協力者にお願いし、地域住民へ届ける取り組みを行います。
ソーシャルメディア
Facebook、Twitter、Instagramなどのソーシャルメディアを活用して、チラシの情報を拡散します。
ソーシャルメディア上で共有やリツイートを呼びかけ、広範なユーザーに情報を広めることができます。
自社ホームページ
NPO法人の公式ウェブサイトにチラシを掲載し、オンライン上で多くの人に情報を提供します。
ホームページ上でチラシをPDF形式などでダウンロード可能にすることで、興味を持った人が自由に閲覧できるようにします。
他社サービス
関連する他のNPO法人や団体のサービスやイベントの場にチラシを設置してもらうことで、ターゲット層にアプローチします。
同じ活動を行う他の組織やイベントに協力してもらい、共同でチラシを配布・告知することで、相乗効果を狙います。
これらの配布・告知先は、NPO法人の活動内容やターゲット層、予算に合わせて選定することが重要です。効果的な広報活動は、多くの人々に対して情報を届けることで、支援や関心を得る一助となります。
最後に
最後に、NPO法人がチラシ作成と広報活動を成功させるためのポイントをまとめます。
1. 明確な目的を設定する: チラシ作成の際は、明確な目的を定め、それに合わせた内容とデザインを構築しましょう。読者にとって有益な情報を提供することが重要です。
2. ターゲット層を把握する: チラシを配布・告知する際には、対象読者層をよく理解し、彼らの興味やニーズに合わせたコンテンツを提供することが重要です。
3. 視覚的な魅力を高める: チラシのデザインは、読者の興味を引くために重要です。鮮やかなカラースキームや視覚的な要素を活用して、チラシの魅力を高めましょう。
4. 正確性と分かりやすさを重視する: チラシに掲載する情報は正確であることが重要です。また、分かりやすく簡潔な表現を心掛け、読者が疑問を持たずに理解できるようにしましょう。
5. 複数の配布・告知先を活用する: チラシの情報を多くの人々に届けるために、自社ホームページや他の組織の協力、イベント会場など様々な手段を活用しましょう。
6. 効果測定を行う:チラシの広報活動の効果を測定し、反応や成果を評価することで、次回の広報戦略に活かすことができます。
最後に、チラシ作成と広報活動は継続的な努力が求められるものです。NPO法人のメッセージをより多くの人々に届けるために、工夫と改善を重ねながら、より良い広報戦略を実践していくことをお勧めします。